【井部先生より】2024年度 看護管理塾第7章を終えて

 

2024年度看護管理塾

7章 人に仕事を与える・任せる

                          担当 井部 俊子

 

 2024年度の「人に仕事を与える・任せる」は、例年どおりのポジションである第7章になりました。20241221日のCCA3210教室は白いマスクの整列でした。塾長あいさつでは漢方流の養生のハナシがあり、風邪は「邪(じゃ)」をとることであり、初めのアプローチは葛根湯(かっこんとう)。体温をあげて邪を追い出すことだと話されました。続いて第6章のふり返りを20分いたしました。

 第7章は講義を50分いたしました。第7章の目指すところは、「人に仕事を与える・任せる」ことに意義を理解し、現状における自分の仕事ぶりをふり返り、自分の仕事のやり方を変えるためのヒントを得ることです。これは一貫しています。今年は資料の表紙に「ゴリラの姿」を登場させました。これは、『争いばかりの人間たちへ ゴリラの国から』(山極寿一著,朝日新聞出版,2024年)のさし絵に使われていたものを引用しました。加えて、筆者が26年ぶりに森に会いに行ったタイタスというゴリラが、あいさつに答えて、突然子どものような顔になって、昔よくやったしぐさを見せ始め、仲間として迎えてくれたことに目頭が熱くなった(215頁)という箇所を紹介しました。

 第7章は、「サル」や「ゴリラ」という比喩を多用するため、内容の理解が困難になりがちであることを踏まえて、「ここで使うサルの意味」を示しました。正式な意味は、「本来、部下のものである仕事の主導権」としました。そして、マネジャーが適切な時間管理をして本当に取り組まなければならないことに処する時間を「ゴリラの時間」としました。

 チームの中で、最も多く「サル」をかかえて困っているチームメンバーの事例を選定して、どのようにして「ゴリラの時間」を生み出すか、「ゴリラの時間」に何をすべきかを議論してまとめることをチームのワークとしました。各チームのプレゼンテーションを2組に分かれて実施し、予選を勝ち残った2チームによって選ばれた「優れたゴリラの時間」発表チームを優勝(景品つき)としました。

 ちなみに、各チームの得票数をかっこ内に示しました。予選(1組)は、A(1)、B14)、C12)、D(1)、E(6)、F(0)でした。予選(2組)は、G(3)、H(6)、I(1)、J(2)、K15)となりました。

 BチームとKチームの決勝では、B26)、K28)となり、優勝はKチームでした。

 Kチームの発表資料を再掲します。

 長期療養型病院の病棟(38床)師長の事例です。〈抱えているサル〉〈ゴリラの時間をいかに生み出すか〉〈ゴリラの時間に何をすべきか〉としてうまく整理されています。

「余談ですが」として「パーキンソンの法則」を講義の最後に追加したことも特記しておきます。

 


井部俊子