2024年度看護管理塾 第5章「人の強みをみつける」を終えて
担当:齊田浩一
山田塾長から、ノーベル賞にまつわるご挨拶があり、井部ファシリテータからは、第20回ヘルシーソサエティ賞授賞式の紹介がありました。
第4章「効果的な会議」の振り返り後、第5章「人の強みをみつける」を始めました。
最初に、ドーナツのスライドを見ていただきました。
ピンクのおいしそうなところが沢山あるにもかかわらず、まず、目に飛び込んできたのは欠けた部分だった、という方がたくさんいらっしゃいました。
私達には、完成されていないものがあると完成させたくなる、完了されていないと完了させたくなるという傾向があります。
欠けた部分や足りないところ、つまり、人の弱みに自然と目が向いてしまう。私達は、そんな傾向があることを自覚し、人の強みを意識的に見ようとする努力が必要です。
本章では、人の強みを活かした看護マネジメントについて学ぶために、①自分とチームメンバーの強みのみつけ方を学ぶ、②他者(部下や上司、同僚、他職種の人)の強みに焦点をあて、職場におけるチームメンバーとの効果的な関係の築き方を学ぶ、の2点を目標にしました。
ワーク1では、「セリグマンとピーターソンの強みリスト」を使って、自分とチームメンバーの強みをみつけました。
チームメンバーの強みをフィードバックする際、看護管理塾で一緒に過ごした時間は、まだ、それほど多くはありませんが、どうしてその強みを選んだのか、理由をしっかりと伝えておられました。
また、チームメンバーから自分の強みを伝えてもらうと、「人から褒めてもらえて、今日はとても良い日になりました。」「明日から、また頑張れます。」と、多くの方が嬉しそうな表情をされ、新しい自分の強みを発見できたようでした。
自分の強みを見つけるためには、自己評価と他者評価の両面から分析することが重要です。
「ジョハリの窓」のフレームを使って、自己認知と他者認知からわかった自分の強みを整理しました。
開放の窓、盲点の窓、秘密の窓、未知の窓の4つの窓のうち、自己認知と他者認知が一致する開放の窓を広げることによって、自分の強みを発揮しやすくなり、効果的なマネジメントができるようになります。
また、今回は明らかにならなかった未知の窓にも、今後強みになりうる項目がたくさんあります。
他者評価を受け入れて、開放の窓を広げるよう努力したり、今まで経験した事がないものに挑戦すると、今まで気付かなかった新たな強みを発見できるかもしれません。
ワーク2では、職場で看護管理上関係の改善が必要な相手をチームで1事例取りあげ、どうすれば効果的な関係が築けるようになるのか、より良く仕事をするための対処方法をまとめました。
全てのチームが、看護職(看護師、准看護師)の同僚(上司や先輩、部下や後輩)の事例でした。
強みと弱みは表裏一体で、視点をどこに置くかによって見方を変えることができます。
相手の弱みを強みに変換し、その強みに焦点を当てることによって、効果的な関係を築きやすくなることを学びました。
チームでまとめた成果物は、他のチームと共有し学びを深めました。
私たちは、職場におけるマネジャーとして、他者の強みを活かすことを意識し、スタッフ一人ひとりの強みを活かす責任があります。
その結果として、スタッフのパフォーマンスがあがり、看護の質が良くなり、病院や施設など、組織としての生産性の向上を目指さなければなりません。
職場に戻られましたら、スタッフや患者・利用者、組織のために、人の強みを活かした看護マネジメントを実践してください。
齊田浩一