【山田先生より】2024年度 看護管理塾 第3章を終えて


看護管理塾第3章を終えて(担当:山田雅子)

 

 感情を意識して看護してみると、世界が開ける経験になるかもしれませんよ。

 看護管理者として部下の話を聴いているときでした。日勤を終えた年上のスタッフが、看護管理室にいる私を訪ねてきて、色々な不満を脈絡なく延々と話をしていました。とにかく部下の話を聴かなければという使命感で聞いておりました。何の話だったかはよく覚えていませんが、その時のスタッフの顔はよく覚えています。

1時間ほど話を聴いた頃、だんだんと椅子ごと私に近づきながら、なにか、噛みつかれそうな怖さを感じたときに、「えっと、ちょっとまって、あなたは私に怒っていますか?怒られているようで怖いのですが…」と言ってみました。そう、スタッフの顔の前に鏡を差し出すような感じです。その時のスタッフの反応は、自分の顔を触りながら「あら、そんな怖い顔をしてます?山田さんを怖がらせたってしかたないのにねえ。あはは・・・」と言いって、私との間の距離も広げてくれました。結果としては、ただ、言っておきたかったのだそうです。

こうした経験は、認知症看護にも役立ちます。認知症を持つ方が、一生懸命話をしてくださいますが、何のことやらわからないことがあります。そうした場合、話の内容を理性でわかろうとするのではなく、その時の相手の表情から感情を類推し、「それは嬉しかったのですか」とか「それは悲しい話ですね」などと相打ちを打つと、うなづいてくれたり、手を握って理解し合えたことを喜んでくれたりしませんか。

感情を意識して看護できるようになると、いろいろな人と話ができるようになる気がいたします。なお、前述の年上のスタッフの不満については、その後情報取集をして、病棟の状況を客観的に理解することにつながりました。

 第3章、いかがでしたか。チームのプレゼンをもっと聞きたかったです。良かったら投稿してください。

 

山田 雅子