【山田先生より】2024年度 看護管理塾 第1章を終えて

 

2024年度 看護管理塾 第1章を終えて

 

 聖路加の看護管理塾にようこそ!

 第1章はいかがでしたか。まずは一人で「出会い方」を考えて、少人数で打ち合わせをして、そしてチームの中で「出会う」という段どりで「出会いをマネジメントする」ことを体験してもらいました。そこまで準備をしておくと、ワールドカフェで多くの人に出会うことの垣根が下がっていたのではないでしょうか。そして最後の全体共有の時間にも手を挙げてくれた人がいたように、あの教室が、緊張して座らされている場から、人と人が対話できる場に変化したという経験につながったのではないでしょうか。

 ところで、「袖すり合うも多生の縁」という言葉をご存知でしょうか。どんな出会いも偶然ではなく縁があることを言う仏教用語なのだそうです。現代は触れ合う袖もなく、「多生」を「多少」と誤解していたりしますが、ちょっとした出会いも、前世からの因縁によって起こるという意味だということです。そのような解釈を知ってしまうと、すべてが御仏にマネジメントされている感覚に陥ってしまいそうですが、それはそれとして、袖が触れ合うようなちょっとした出会いも大事にしましょうということだと思います。

 もう一つ「一蓮托生」という言葉も挙げておきたいと思いました。こちらも仏教用語で、結果の良し悪しに関わらず行動や運命を共にすることを意味しているということです。看護管理塾のチームは固定チームです。3月の最終回に向かって、行動や運命を共にすることによって、うまくいこうが、喧嘩をしようが、最後は同じ蓮の花の上にたどり着くと考えてみるとどうですか。各章でちょっとしたチャレンジができるように仕掛けていきます。あの教室では正解とか失敗といった評価は不要です。教室ですから、うまくいかないことがあっても当たり前といたしましょう。いつもなら愚痴で終わっていそうなお話も大事なナラティブです。そこから何を学び取るかが塾の醍醐味になっていったらよいですね。

 第1章での気づきをメモにしたものをお持ちになっていると思います。それは、あの学び合いの場を共有した者だからこそ理解できる、あなたにとって貴重な気づきであるはずです。よかったら大学ブログに投稿してみて下さい。

 いささか抹香くさいことでごめんくださいませ。

山田 雅子