2025年度看護管理塾 第9章「創造的に取り組む」を終えて
担当:古閑慎一郎
こんにちは
第9章を担当した古閑慎一郎です
このレターを羽田空港のANAラウンジで書いています。
2月14日のバレンタインデーに実施した「創造的に取り組む~サービスマネジメントを学ぶ」はどうでした?皆さんが作成したサービスサイクルを見て、私も“患者視点・顧客視点の大切さ”を再認識しました。

今回のセッションはWorkshopの時間に重点を置いたため、伝えきれなかった概念・情報を取り急ぎまとめてみました。
サービスの現場で創造性が生まれる場は様々あるのですが、
今回は一般的にサービスの現場でイノベーションが起こる3つの視点
1,現状のやり方に疑問(または不満)を持った
2,視点を変えてみた
3,顧客視点で見てみた
の中の「顧客視点で見てみた」にチャレンジしました。
先ずは、
サービスの概念を理解する視点をご紹介しましたが
おさらいですが・・・
1, 生産と消費が同時に行われる→在庫できない
2, 人の手によることが多い→標準化が難しい
3, 基準が明確でない→クレームの申し立て率が低い(リピートが無いのはクレーム)
4, 顧客の欲求水準を一定に保つのが難しい→事前期待がある
5, 一回きり、取り返しがきかない→やり直しができない、その瞬間が大事
6, 顧客との協働作業→協働性が満足度を高め、効率を生む
※一般的なKPI(Key Performance Indicator)としては
1, リピート率
2, 紹介率
3, 新規顧客率
と言われていますが・・・・・医療連携が重要視されている現在、皆さんが提供する医療サービスでは、紹介者(連携先)からのリピート率はどのくらいでしょうか?
◆Workshopに入る前に、事前課題として考えてもらった「ペルソナ」を共有化してもらい、チームとして事例として取り上げるものを一つ選択してもらいました。
その ペルソナ作成・活用の注意点ですが、
ベルソナを作成する上で注意したいのが、思い込みや先入観です。
数字で表すことができない「定性的」な部分のあるベルソナ作成では、元々持っているイメージや希望をつい反映してしまいがちです。しかし、担当者のイメージのみを反映してしまっては、実際にサービスを受ける人物像とは大きなズレが生じてしまう可能性があります。
正確で納得感のある ペルソナを作成するためにも、SNSや ブログ、 インターネット上の
口コミなどからのデータを取り入れることも重要です。また、インタビュー形式やオリエンテーション形式で、 患者や患者の家族から直接意見を聞くという方法もあります。
◆ペルソナ設定のポイント
①
必要な情報に絞る
ペルソナは代表的な「架空の患者や家族」を作成するものです。大量にある情報を1人にまとめるのはなかなか難しいものですので、場合によっては収まりきれない部分は切り捨て、必要な情報だけに絞る必要があります
②
担当者、関係者全員にイメージしやすいように
いくら ペルソナを作成しても、作成者以外の関係者が同じイメージを持てなければ意味がありません。 ペルソナ作成の目的は、代表的な顧客の人物像を担当者間で共有することですので、イメージしやすい必要があります。
③
ビジュアル化は大事
統一的なサービスイメージを関係者間で常に共有するためにも、 ペルソナは誰でもイメージできる平均的な人物像であることが望ましいです。イメージしやすくする方法としては、写真・イラストを使って視覚的にも考える方法があります。
④
作りっぱなしにしない
ペルソナは実際に存在する人物像をリアルにイメージして作成していますので、参考にしている患者や患者の家族の環境、情報も常に変化します。作成したらそのままではなく、 患者や患者の家族の動向に目を向け、定期的にブラッシュアップ・updateしていく必要があります。
◆サービスサイクルの作成と真実の瞬間(CSとES)
サービスサイクル作成して真実の瞬間を明確にして、その瞬間をいかに患者や患者の家族の不安や懸念を受け止め対応する事が、価値ある創造的な仕事に繋がると思われます。しかし現実には「そういう行動を促すスタッフ自身のセルフエスティームが高くないと、実際の行動には表れない。つまりCS(Customer Satisfaction)とES(Employee Satisfaction)は表裏一体だという事でしたね・・・
そうなってくると、2つの課題に直面します
一つ目は
「マネジャーがスタッフのセルフエスティームを向上させるにはどうしたら良いか?」
二つ目は
「マネジャー自身のセルフエスティームを向上させるにはどうしたら良いのか?」
①「スタッフのセルフエスティームを向上させるにはどうしたら良いか?」
◆「患者満足の前に、スタッフ満足がある」
・インターナルサービスの視点(Internal Service)→スタッフが内部顧客だとすると、
マネジャーの役割は「ケアを提供する人をケアすること」という事になります
※マネジャー自身への問いかけ
“私はスタッフが“よい看護を提供できる状態”を作れているか?“
◆「管理」ではなく「サービス提供者」としてのマネジャーの役割
マネジャーの役割転換
(今まで)
(これから)
従来の発想➡インターナルサービス視点
指示・統制する人➡働きやすさを設計する人
評価する人➡成長を支援する人
問題を正す人➡問題が起きにくい環境をつくる人
※マネジャー自身への問いかけ
“私の行動は「業務を回すため」か「人を活かすため」か?”
◆スタッフを「内部顧客」として理解する視点
内部顧客としてのスタッフが求めているもの
①
安心して相談できる関係
②
成長実感(できるようになっている感覚)
③
尊重されているという感覚
スタッフは今、何に一番エネルギーを奪われているか?
「忙しい」ではなく「何がしんどいのか」を聴けているか?
◆ 「サービス品質」を内部に当てはめて考える
インターナルサービスの質=マネジメントの質
外部サービスで使われる視点を、内部に転用する
①
迅速性:相談・判断を待たせていないか
②
信頼性:言動に一貫性があるか
③
共感性:気持ちを理解しようとしているか
④
安心感:失敗しても守られる感覚があるか
※マネジャー自身への問いかけ
私の関わりは、スタッフの不安を減らしているか、増やしているか?
◆「成果」ではなく「プロセス」を支える学び
良い看護は「結果」ではなく「状態」から生まれる
マネジャーが整えるべきは
✔ 人間関係
✔ 情報の流れ
✔ 判断の透明性
✔ 学び合いの文化
※マネジャー自身への問いかけ
この病棟は「助けを求めてよい空気」があるか?
ミスや違和感が、声として上がる構造になっているか?
②マネジャー自身のセルフエスティームを向上させるにはどうしたら良いのか?
◆マネジャー自身も「内部顧客」であるという視点
・マネジャー自身が疲弊していると
・良いインターナルサービスは提供できない
・自分も上司・組織からのインターナルサービスの受け手
※マネジャー自身への問いかけ
私自身は、支えられていると感じているか?
無理を前提にしたマネジメントになっていないか?
◆まとめとして
マネジャーにとってのインターナルサービスとしての学びとは、
「人を動かす技術」ではなく
「人が自然に力を発揮できる状態をつくる感性と構造」を学ぶこと
【関係性・安心】
☐ 困った時、私に声をかけやすい空気がある
☐ 失敗を責めるより、学びに変えている
【成長支援】
☐ 注意より「できている点」を先に伝えている
☐ 業務の意味・背景を説明している
【判断・支援】
☐ 「個人の問題」にせず「仕組み」で考えている
【自分自身】
☐ 私自身が疲弊しきっていない
☐ 上司・組織に助けを求められている
最後に古閑からの提案
B=f(P・E) ➡人が取る行動とは、本人の特性と本人をとりまく環境が相互に作用して生じるもの。その環境で一番大きな影響を持つのはマネジャーの存在(スタッフにとってマネジャーは環境そのもの)
マネジャー自身が創造的であれば、スタッフも創造的に考え行動すると思います
その為に先ずは
「Caféの様な雰囲気の場所でマネジャーが意見交換(ダイアローグ)できる」
そんな環境を作りましょう!!
古閑 慎一郎



