第8章「やる気にさせる職場」を終えて_中尾根功嗣
本章では、「やる気にさせる職場」をテーマに理論の理解だけに留まらず、管理者自身がやる気を感じた経験を振り返ること、やる気は与えられるものではなく本人のなかに芽生えるものであること、その芽を育てるために管理者はどのように環境を整え関わることができるか、を体験的に学ぶことを意図しました。
はじめに、中尾根自身が管理塾を職場と見立て、これまで感じてきた「やる気」についてエピソードと共に披露しました。濃密な13年間をなんとか掻い摘んでお伝えしたわけですが、この経験を振り返る時間が私自身にとって貴重なものでした。経験しっぱなしにしてしまう日常になっていませんか?時にはふと立ち止まって振り返り、学ぶ時間も大切です。エピソードを聞く皆さんが共感を示すように頷いている姿が印象に残っています。
塾長が開講のご挨拶冒頭で“汗をかくほどの”と形容してくださったワークは大いに盛り上がりました。いたって単純なワークですが、意図を明確に取り組むことで学びにつながることを実感していただけたと思います。
“練習”で得た成功体験に騙されましたね?
状況が変わっているにも関わらず、成功体験に縛られてしまうことは多々あります。上手くいかなくなったとき「やる気」はどのように働いたでしょうか。取り組み方を変える必要に迫られたとき、コミュニケーションが活発になりました。このコミュニケーションの中に「やる気」に関する様々なことが含まれていたことに気づけたと思います。振り返りにはこのように示されていました。<できたことをほめる(ポジティブフィードバック)ことがよかった><失敗を重ねたが少しずつ修正できた>一方で<リーダーじゃないのにメンバーがし切り始めた(メンバーシップをとって欲しかった)><ダメだしに捉えられる発言にやる気を失った><具体的な指示が必要だった>
提示されたルールを一人一人が守れましたか?
今回は、ルールを守ることを徹底するために何度も注意喚起しました。頭では理解しているものの、とっさにその状況を迎えたとき(ルールから逸脱してしまう行為)ルールを守ることができたか。もし、ルールを守れなかった人がいたとしたら気持ちが悪かったことでしょう。つまり「やる気」は失われてしまったのではないでしょうか。本人だけでなく、その状況に気づいた他者にも悪影響が生まれているのです。一方でルールを守るからこそ、役割を明確にできたチームもありました。
目的は達成できましたか?
評価すべき点は、ルールを追加した2度目のほうが1度目よりも達成できたチームが多かったことです。短時間で改善点を見出し、更に難しくなったワークに対応することができました。作戦タイムはわずかな時間しかありませんでしたが、各チーム独自の方法で達成するためのやり方を見出すことができました。
目的を共有し、手順・ルールを守り、他者と役割を担い合い協力して取り組む、活動の中に様々な「やる気」が生まれ、失われていることを体験していただきました。
これらの体験から学んだことを実践に結び付けるべく、看護管理者として「やる気にさせる職場」にするために優先順位高く心がけたいことを各チームで検討しました。発表内容をいくつか紹介します。<承認する 頭ごなしの否定をしない><同じ目標共有するために一緒に考え、意見を出し合える場をつくる><有能感を高めるために明確な指示を行う><具体的で適切な指示をする><信頼関係をつくるためにコミュニケーションをとる>
次章で皆さんの生々しい実践の振り返りが聞けることを期待します。
中尾根 功嗣

