第5章「チームで仕事をする」を終えて_中尾根功嗣

 第5章「チームで仕事をする」を終えて

担当ファシリテーター:中尾根功嗣


昨年まで第6章だった本章は、今年から1章前倒し第5章として開催することとなりました。看護管理塾での学びに早い段階から「チーム」を活かすことが期待された章立てです。



目指すところは、①チームについての理解を深める ②チームづくりを体験的に学ぶ ③チームづくりの要点を理解し所属する職場に活かす でした。看護管理塾のプログラムコンセプトは<看護管理者が、経験から学んでいる臨床知(暗黙知)を活きた情報(形式知)に変換していくこと>であり、相互の語りが学びには欠かせません。まさにチームの存在が活かされるわけです。

ところで、看護管理塾では所属するチームのことを「グループ、、、」と誤って発言してしまう場面に、塾長が間髪入れず「チームです。」と訂正する姿が幾度もありましたね。その理を「チーム」と「グループ」の違いから解明しました。“チームという名のグループになっていないか?”この問いかけが重要です。「チーム」に必要とされる重要素を3つ提示しました。①目的や目標が明確か。メンバーは適切な方向に意識を向けているか?②参加する一人一人に役割があるか。メンバーとしての自覚があるか?所属意識を奪っていないか?③成果を獲得するための段取りは明確になっているか。適宜手直しできているか?加えて、「チーム」は成果の獲得(達成)が求められること。仲良しでなくてもよいこと。も触れました。

Google re:Workが行なった研究から導き出された、チームワークのよいチームがしている5つの共通点に基づいてチームの現状を客観的に捉えることをしました。5段階評価から所属するメンバーの認識を顕在化することと、同時にそれらの数値がどのような意味を示しているのかを言語化することに挑戦しました。

言語化された各チームのまとめから特筆すべきは2点。1つ目は、心理的安全性に関ることの記述の多さ。関心の高さが伺えます。具体的に示された内容は、否定されない、受け入れてもらえていると感じられる、同じような悩みや課題を抱えている、お互いがさらけ出せている、尊重し合えている、など。2つ目は、所属する職場への影響に関ること。学びが実践に活かせていないことへの懸念も多く見られました。

これらの現状も踏まえて、本日のワーク「看護管理塾でのチームづくり」に取り組みました。目的は、看護管理塾で実践につながる有意義な学習成果を得る、ことです。各チームの練り上げられた目指すべき姿は以下のとおりです。

Aチーム「グループを脱却!お互い学び合い経験値を共有し学びを実践に活かすチームへ!」

Bチーム「1人1人が主役になり意見を出しあえるチームになる」

Cチーム「対話から課題を見出し自部署を推進する」

Dチーム「1人1人が学びを実践し、現場で生かせるチーム」

Eチーム「図々しく学ぶ」

Fチーム「対話を重視するチーム」

Gチーム「学んだことを現場で実践し、それぞれの経験を共有し、自分の糧とする」

Hチーム「塾の学びが現場で実践できるチーム」    

Iチーム「成果が出せるチーム」

Jチーム「学びを活かした個々の経験を共有して理解を深める」

Kチーム「学びを実践し経験を共有し一人一人が更にブラッシュアップできるチーム」

全チーム、「目指すべき姿」と「実現させるための具体策」にはそれぞれの魅力を感じました。これからの実践が重要です。具体化していく過程を楽しんでください。

最後になりますが、ワークに取り組む中で、問題意識や悩みについて語る声が方々から聞こえてきました。自己肯定感「やればできる!」にも目を向けてください。できることを自慢し合う、看護管理塾も魅力的です。


中尾根 功嗣