2025年度看護管理塾 第4章「人の強みをみつける」を終えて

 2025年度看護管理塾 第4章「人の強みをみつける」を終えて

担当ファシリテータ:齊田浩一


96日土曜日、第4章「人の強みをみつける」が開催されました。712日に開催された第3章「感情の源泉を扱う」から、猛暑の8月を超えて、約2か月ぶりの開催となりました。61名の受講者のうち6名が欠席していましたが、55名が再会し、第3章の振り返りを行いました。また、今回は、昨年本章を受講できなかった3名も参加されました。

4章が始まって、まず最初に、皆さんにドーナツのスライドを見ていただきました。

ピンクのおいしそうなところが沢山あるにもかかわらず、まず、目に飛び込んできたのは、欠けた部分だったという方がたくさんいらっしゃいました。

私達には、完成されていないものがあると完成させたくなる、完了されていないと完了させたくなるという傾向があります。つまり、私達は、人の弱みに自然と目が向いてしまう傾向があることを自覚し、人の強みを意識的に見ようとする努力が必要です。  

ワーク1では、「セリグマンとピーターソンの強みリスト」を使って、自分とチームメンバーの強みをみつけました。

チームメンバーの強みをフィードバックする際、まだ看護管理塾で一緒に過ごした時間が短く、また、2か月ぶりの再開とあってか、お互いの強みをみつけることに、少し戸惑っている場面も見受けられました。

それでも、チームメンバーから自分の強みを伝えてもらうと、「人から褒めてもらえるのは久しぶりです。」と嬉しそうな表情をされたり、「自己評価と他者評価によって、自分の強みをみつけるのっておもしろい。」と新しい自分の強みを発見できてうれしそうにされていました。


自分の強みを見つけるためには、自己評価と他者評価の両面から分析することが重要です。「ジョハリの窓」のフレームを使って、自己認知と他者認知からわかった自分の強みを整理しました。 開放の窓、盲点の窓、秘密の窓、未知の窓の4つの窓のうち、自己認知と他者認知が一致する開放の窓を広げることによって、自分の強みを発揮しやすくなり、効果的なマネジメントができるようになります。

また、今回は明らかにならなかった未知の窓にも、今後強みになりうる項目がたくさんあります。今まで経験した事がないものに挑戦し、今まで気付かなかった新たな強みを発見してみてください。  

ワーク2では、職場で看護管理上関係の改善が必要な相手をチームで1事例取りあげ、どうすれば効果的な関係が築けるようになるのか、より良く仕事をするための対処方法をまとめました。

取りあげられた事例は、12チームの内10チームが看護師の部下(副師長や主任、スタッフ、特定看護師、認定看護師など)で、他の2チームは、関係部署のMSWと相談員の事例でした。職場はほとんどが病院でしたが、訪問看護ステーションや訪問診療クリニックの事例もありました。

強みと弱みは表裏一体で、視点をどこに置くかによって見方を変えることができます。

関係の改善が必要な相手の弱みを強みに変換し、その強みに焦点を当てることによって、効果的な関係を築きやすくなることを学びました。

私たちは、職場におけるマネジャーとして、他者の強みを活かすことを意識し、スタッフ一人ひとりの強みを活かす責任があります。

職場に戻られましたら、スタッフや患者・利用者、組織のために、人の強みを活かした看護マネジメントを実践してください。


齊田浩一